青木慶則です。「ジャーナルエーオー」Vol.3をお届けします。「今度はもう少し早めに出す」と言いながら、またしても前回からだいぶ空いてしまい、失礼いたしました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。そのあいだ、本名名義での記念すべきファーストアルバムが無事に発売されました! 12/12の発売日からすでに1ヶ月半が経ちましたが、聴いてくれましたか? まだの方はぜひチェックしてみてくださいね。
今回は純粋なピアノ弾き語りのアルバム。これまでのHARCOのアルバムでは、さまざまな楽器や打ち込み、コーラスなどでたくさん音を構築していたので、かなり大きな方向転換になりました。
青木慶則として新たに始めるにあたって、はじめはバンドサウンドでの賑やかなアルバムも考えていたんです。せっかくなのでより大人っぽいサウンドを、そして昨年1月のニューヨークで触れたジャズの要素もたくさん取り入れようかと。しかしその方向へ向かえば向かうほど、僕の声の特徴とかけ離れているような気がして、曲作りも難航していました。
やがて、逆にもっと柔らかい質感のアルバムに取り組んだ方がいいのではないかと思うようになりました。例えば今までのCMの歌やナレーションのお仕事では、自分のありのままの声をいろんな監督やプロデューサーにさらけ出してもらっていたのに、本業のアルバムでは、装飾したり構築することばかりに意識が向いていたのでは。そんなことを思い、あえて避けて来た「素の自分」を表現してみようと思ったのです。
同時に思ったのが、ライブのこと。今まで年間50本くらいのライブを続けて来たんですが、そのうちの大半はバンド編成ではなく、やはり鍵盤の弾き語りでした。東京から遠くの街になればなるほど、なおさらです。今後も同様ではないかと思ったとき、どんなときもアルバムとライブの中身が変わらないというスタンスがむしろ面白いのでは、という考えにたどり着き、ふいに1本の筋道が浮かび上がった気がしました。
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